撮影 ストロボ

大型ストロボ


ストロボを使ってポートレートを撮影する場合のポイントは
 1、レンズとストロボを離す
 2、発光面積を大きくする
の2点です。


レンズとストロボを離すについて
 カメラに内蔵されているストロボを使った写真を見ると、左の写真のように、ノッペリと平面的な顔になっています。 これはカメラのレンズとストロボ(の発光部)が近すぎるのが原因です。
 通常レンズはモデルの真正面に向けます。 そのとき、内蔵ストロボもモデルの真正面に向けられます。人間の顔の構造は真正面からの光に対し 影がつかないのでノッペリとした顔になってしまうのです。

モデル:北見れあちゃん


 そこで立体感のある(陰影のある)顔にするためにレンズとストロボの距離を離します。 屋外の撮影の光源は太陽ですが、レンズと太陽の位置(角度)は離れていますよネ。 つまり、レンズとストロボの距離を離した方が、より自然に近くなるわけです。



発光面積を大きくするについて
 それなら、顔を斜めにして内臓ストロボを使ったらどうなるか、というと、確かに陰影はできますが、 その影がキツイ影になってしまいます。このキツイ影というのが女性ポートレートには大敵で、 鼻の影などがホホにクッキリと落ちると絵がキタナラシクなってしまいます。男性ポートレート などではワザト影をキツクする場合があります。その方が野生的なポートレートになるからなのですが、 女性のやわらかさを表現するには不向きな光源なのです。

点光源
 影がキツクなるのは、内蔵ストロボが、いわゆる点光源だからです。

 点光源とは、光の出ている部分の面積(発光部の面積)が「点」のように小さい光源(ストロボ)のことです。

 左の図を見れば分かるように、1点から発せられた光は鼻(図中オレンジ色の部分)の先端を通り、 頬(図中水色の線)に落ち、その光線と鼻の間に影ができます。光は真っ直ぐに進み、 陰陽を作る発光部が1箇所なので陰と陽の境がクッキリとする(してしまう)わけです。

面光源

 女性のやわらかさを表現するためには、クッキリとした影をボンヤリした影(やわらかい影) にすれば良いわけです。そのために光源を複数光源にするか面光源にします。

 面光源とは、広がった状態のストロボ光をアンブレラなどで反射することにより広い発光面積 を得る光源、広がった状態のストロボ光をディフーザー(拡散板。トレーシングペーパーを使うようです。 「バンクライト」も同じこと)に当て、 ディフーザーを光らせることにより広い発光面積を得る光源、などです。

 上の図の面光源A部から発せられた光は鼻の先端を通り、頬に落ち、その光線と鼻の間に影ができます。 ここまでは点光源と同じですが、面光源ではその下のB、C部からも同様に陰陽を作ります。 A、B、C部は位置がずれているため各々が作る陰陽に他が作る陰陽が重なり (例えばAの作る陰にBの作る陽が重なる)、影は薄くなります。面光源はA部からC部まで 連続しているので、陰陽の境はボンヤリとし、やわらかい影になるため、女性ポートレートに適した 光源になるのです。

 実は、屋外撮影の偉大な光源である太陽は点光源なのです。「うそつけ! 発光部の面積メチャクチャデカイじゃん!」と思われるでしょう。 なぜ太陽光が点光源なのかというと、発光部の面積(太陽の表面積)と比べても、 太陽から地球の距離はケタチガイに長いからです。
 実際に屋外でポートレート撮影する場合、順光だと鼻などの影が顔に落ち込んでしまいますよね。 だからこそ、屋外のポートレート撮影では逆光が鉄則になるわけです。

 「面光源」の図で説明すると、A部の作る鼻の影と、C部の作る鼻の影は、 モデルと発光部が離れれば離れるほど重なり合っていき、ドンドン点光源に近づいていくのです。 発光部の面積が大きくても、発光部から被写体の距離が長いと点光源に近づいてしまうのです。 ということは、アンブレラやバンクライトなどで光を拡散させる(面光源にする)場合、 なるべく発光部とモデルを近づける方がやわらかい影になります。このことはチョット一般常識からは 理解しづらいかもしれません。
 撮影会に行くと、クリップオン・ストロボの発光部に直接トレーシングペーパーを貼り付けている カメラマンを良く見かけますが、これは上記の理由から効果ありません。 トレーシングペーパーは発光部とモデルの間に設置すべきなのですが、撮影会では不可能です。 ということで、僕は室内撮影会ではストロボは使わず、 高感度フィルム(ISO400)を使ってます。


 前置きが長くなりましたが、上記の2点「レンズとストロボを離す」「発光面積を大きくする」 を得るために便利なのが「大型ストロボ」です。
 ただし、大型ストロボはとても高価です。タブン銀塩写真活動の中で最も金のかかるのが 大型ストロボを中心とした照明機材でしょう。比較的安価なクリップオンやグリップ式のストロボ でも工夫すれば同様の効果を得ることは出来ます。僕のお勧めは「ナショナル オートストロボ PE-5651N」 です。このストロボはマニュアルによる調光ができ、調光も無段階です。また、 グリップ式にしては発光量が大きく(ガイドナンバー56)、周辺付属品も多く様々な撮影条件 に対応できるスグレモノですが、普及タイプの宿命でしょうか、強度・耐久性にやや不安が... 手軽なストロボ撮影の場合に良く使ってます。


マコト写真館表紙


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