機材 レンズ レンズ性能 解像度チェック
ネットオークションのおかげでレンズのコレクションが多くなってきました。
コレクションする理由は「このレンズのボケが良い」とか「解像度が良い」とか「発色が良い」とか「逆光に強い」
とかとか...ではなく、「焦点距離をモウラしたい」というドウショモナイ理由が多いです。
でも写真を趣味とする身としては「このレンズの解像度はナンチャラ」とか言ってみたい。何か専門家みたい。
・・・・・・・
というド〜ショ〜モナイ理由からレンズの性能を調べてみたくなりました。
「ボケ」や「発色」などは官能的なので評価し難い。「解像度」ならチャートが用意されていて、評価し易そう。
手始めには良さゲなので、やってます。
ISO 12233 解像度チャート
レンズ、ではないのですが、スチル(静止画)カメラの解像度測定に「ISO 12233」という規格があり、評価用の
チャート(用紙)が用意されています(左写真)。
その規格とは別に「デジタルカメラの解像度測定方法(CPI DC-003)」という規格があり、
そこにISO12233チャート紙の撮影方法が規定されています(両規格の位置付けは良くわかりません)。
このチャートはネットからダウンロード出来、それをプリントアウトして使用します。
黒枠内の高さが200mmで、それを画面いっぱいに撮影します。
ただ、どう見ても横長でしょ。横幅計ると355mmある。ということは縦横比は1:1.8。
カメラのセンサーの縦横比は1:1.5弱なので合っていない。ということで、横幅を画面いっぱいにして撮影してます。
このチャートの中の「くさび」線同士が分離して見える最大値で解像度を判断するようです。
チャートの「くさび」線
新ISO 12233 解像度チャート
上のチャートには不具合?があったようで(何かは分かりません)、それを受けてこのチャートが
提案されたようです。なんとなくカメラのセンサーと合ってそう(縦横比をモニター上で測ると1:1.48でした)。
まだダウンロードしていないので、今回は上のチャートで撮影しました。
こんな感じで撮影しました。
・照明:規格によれば「昼光」または「タングステン(光)」となっていますが、撮影が夜、タングステン電球は
持ってない(そのために買う気もない)ことから無視。
また「チャートのどの部分でも、照度が中央付近の±10%以内に入るように照明する」とあります。
・高さ:チャート中心部(渦巻)とカメラ(レンズ中心)の高さを合わせます。
・フレーミング:ISO12233によると「チャート黒枠内の高さ方向が画面いっぱいになるように撮影する」となっていますが、
上に書いたように、僕は横方向をいっぱいにして撮影しました。
規格も「実際にはこのように撮影することはかなり難しいので、小さめに撮影しても良い」となってます。
・露光条件:規格では、特に規定しない、となってます
・フォーカシング:規格では、特に規定しない、となってます。
僕はライブビューにして、画面倍率を最大、マニュアルフォーカスで撮影しました。
・ホワイトバランス:規格では、照明光源に対し適切に調整されていなければならない、となってます。
僕はカメラの設定をホワイトバランスオートにしただけにしました。
・プリントアウトしたチャートは剛性がないので、平面度保つために、透明なハードカバーに入れました。
・カメラは剛性のある三脚に固定する方が良いでしょう。
絞りを変えて撮影することが多いと思いますので、シャッター速度が遅くなり、手持ちは無理でしょう。
カメラはなるべく画素数が多いものが良いと思い、ニコンD800を使用しました。
手ぶれを防ぐためにワイヤレスリモート(ニコン WR-10)で撮影しました(写真わかり難いですね)。
↓
「ミラーアップ撮影」に変更しました
とりあえず、試しに標準レンズ「ニコン Ai AF Nikkor 50mm f/1.4D」を使用し、
レンズ絞り値で解像度がどう変わるか撮影してみました。
一般的には絞り解放(F値が小さい)だと解像度は悪く、絞ると解像度は良くなる、と言われます。
上の写真はチャート中心右横にある「くさび」線で、レンズ絞り値は
上:絞り1.4
下:絞り8
確かに絞り値が大きい(F8)方がクッキリしてますが、くさび線の分離の位置は変わらない。
何で?何やら使い方が間違っているような雰囲気。やり直しか....
2017/01/24 新規設立
絞りによる解像度の違いが出ないのは、チャートのくさび線間隔が大きいため、と思い、
チャートの映り込みを小さくしてみました。
今までは、355mmのチャート幅いっぱいにして撮影していましたが、1m(1,000mm)幅いっぱいにして撮影
してみました。
上:絞り1.4
下:絞り8
結果は変わらず。やはり、何かおかしい・・・・
・・・・・
チャートをよ〜く見てみると、なんと、もともとくさび線間隔がくっついてる!
マクロレンズで接写し、等倍観察してみると、くさび線はくっつくまではいかないけど、
線の太さが均一になっていない(下写真。上下の線がボケているのは中心線に焦点合わせて撮影したからです)。
これではくっついて見えるわけだ。
元のデータどうなってんだ?
こちらがプリントアウトしたチャートの元データ(PDF)のくさび線部の拡大。まったく問題なし。ということは、プリンターが原因か?
なんてたって、10年以上前のものだしナ〜。
チャートデータをダウンロード→プリントアウト、ではなく、紙での入手が出来ないのか?
ネット調べてみると35,000円ぐらいで購入出来そう。高い。どこかでダウンロードデータをプリントアウト頼むか....
家のプリンターでは解像度が悪いと思い、ヨドバシカメラでプリント頼むことにしたのですが、
なんとPDFファイルが印刷出来ないとのこと。ネットを調べたところ「キンコーズ」がPDF印刷してくれるみたい。
早速、横浜西口のキンコーズへ。ここは時間制でPCを貸してくれて、持ってきたデータを自分で編集、プリントアウト
する制度。PCが5台ほどしかなく、待たされた〜。1,2時間ほど待たされて、ようやく僕の番。
ここのプリンターの解像度は最大600dpiとのこと。ん?僕のプリンター(キヤノン i9900)の解像度は4800 X 2400なんだけど?
モンクを言ってもしかたない。ここまで来たのだやるしかない。
チャートデータを入れたSDカードを忘れてきたため、スマホでダウンロード。USB接続コードでPCとスマホを接続(持ってて良かった)。
PDFをプリントアウトするだけなので、10分ほどで終了。
出来上がった写真を見ると、ここの店のプリンターの最高解像度(600dpiなんだけど)だけあって、くさび線のくっつきがない。
料金はPC使用料、紙代(2枚)等、計470円。安いですね。
家で、前のチャートと比べて見ると、今回のチャートに中心部の渦巻がない!
2種類あるってこと?ピント合わせにここの渦巻使ってたんですけど...
マクロレンズで接写し、等倍観察してみても(下写真)、くさび線はくっつきはなく、線の太さも大体均一。線が点線気味になっているのが
タマニキズだけど、よしとしよう。
とりあえず、このチャートでレンズ解像度チェックをやってみよう。
これが最終的な解像度チェック用ボード。
ボードの白線から黒枠までの長さは50cm(横方向)。
左下のチャートはレンズ中心の解像度測定用。右上のチャートはレンズ四角の解像度測定用。
撮影手順
1.カメラファインダー中心線をボード白線に合わせる。
2.ボード黒枠とファインダー視界端が一致するようにカメラを移動さる。
3.カメラをライブビューにする。
4.ライブビューを最大倍率にする。
5.背面モニターでピントを合わせる。
6.ミラーアップ撮影する。
以下、レンズ解像度チェック撮影条件(本人メモ用)
撮影条件(フルサイズ用)
・チャート紙位置の撮影幅:1m
・照明:天井LED
・三脚使用
カメラ設定
・使用カメラ:ニコンD800
・撮像範囲:FX
・記録画素数:7360×4912ピクセル(サイズL)
・画質モード:JPEG、BASIC
・ピクチャーコントロール:スタンダード
・カラースペース:AdobeRGB
・測光範囲:中央部重点測光
・露出モード:A:絞り優先オート
・露出補正:+1
・ISO感度:800
・アクティブDライティング:OFF
・フォーカス:ライブビュー最大倍率による手動
・フラッシュ:なし
・ホワイトバランス:オート
・ビネットコントロール:OFF
・画像編集:くさび線部のトリミングのみ(他はなし)
・トリミングソフト:フォトショップCS6
・フォトショップ保存JPEGオプション
・画質:10
・ベースライン(標準)
・レリーズ方法:ミラーアップ
撮影条件(マイクロフォーサーズ用)
・チャート紙位置の撮影幅:1m
・照明:天井LED
・三脚使用
カメラ設定
・使用カメラ:パナソニックGX8
・記録画素数:5184×3888ピクセル(サイズL)
・画像横縦比:4:3
・クオリティ:最上
・測光モード:中央部重点測光
・露出モード:A:絞り優先オート
・露出補正:+1
・ISO感度:800
・フォーカス:オートフォーカス
・フラッシュ:なし
・ホワイトバランス:オート
・画像編集:くさび線部のトリミングのみ(他はなし)
・トリミングソフト:フォトショップCS6
・フォトショップ保存JPEGオプション
・画質:10
・ベースライン(標準)
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